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61話 黒い魔法陣と、リリスとディアブロの畏敬

Author: みみっく
last update Last Updated: 2025-12-21 06:00:28

 武器の召喚かぁ〜。召喚の呪文は習ったけど……大して強くない精霊とか魔獣の召喚なんだよね。俺にも召喚できるかなぁ……? 召喚の詠唱をして〜後はイメージで補う感じで良いか? 試してみよっと♪

 静かな森の中、レイニーが黙り集中しだすと、その場の空気が一変した。異変に気づいた周りの者たちは、まるで空気に飲まれたかのように黙り込み、固唾を飲んでレイニーの様子をじっと見つめた。詠唱が深まるにつれて、レイニーのあどけない表情は次第に険しさを帯び、澄んだ瞳の奥には一瞬だけ漆黒の光が宿った。彼の可愛らしい体の周囲には、微かな闇のオーラがさざ波のように立ち上り始めた。

 レイニーが詠唱を始めると、リリスの時とは次元が違った。彼の足下には、不気味な黒く恐ろしいオーラを放つ巨大な魔法陣が、まるで漆黒の割れ目のように地面を侵食しながら、ゆっくりと展開されていく。その魔法陣からは、周囲の空気を重く冷たくする異様な負のエネルギーが、まるで生きた影のように渦を巻きながら放たれ、森の木々がざわめき始め、葉が激しく震え、地面の草が霜に覆われるかのように白んでいった。肌を刺すような冷気が全身を包み込み、まるで異世界に引きずり込まれるかのような錯覚に陥った。

 辺りは瞬く間に黒い霧で覆われ始め、その霧はまるで生きているかのようにうねり、森の中の空気をさらに緊張させた。突如として内臓を揺らすほどの重低音が地鳴りのように鳴り響き、レイニーの手に、やりの形をした黒い炎がボワッと音を立てて燃え上がった。その炎は瞬く間に広がり、周囲の色彩が吸い取られるかのように色褪せ、見る者すべてに冷たい恐怖を与えた。

 霧の中心からは、徐々に禍々しいオーラが漏れ出し、周囲の空気をさらに冷やしていく。レイニーが詠唱を続けると、その黒い炎は次第に凝縮し、空間が引き裂かれるような鋭い音とともに槍の形が浮かび上がった。赤黒い光沢を持つその刃は、鋭く尖った矢じりの形状をしており、刃の表面には古代の呪文が刻まれていた。その文字は微かに青紫色の光を放ち、妖しく輝いている。

 レイニーが、その禍々しい槍を握ると、周囲の雰囲気は一変した。彼の可愛らしい外見とは対照的に、その槍は圧倒的な威圧感を放っている。レイニー

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     その光景を二人が見ているが、対照的でロディーは驚いていて、リリスは目を輝かせてうっとりとした表情で俺を見つめていた。ロディーの顔は蒼白く、リリスの顔には憧憬の念が浮かんでいる。 黒炎の激しい炎は周囲を照らし、暗闇の中で異様な光景を作り出していた。斬撃の余波で、少し離れた場所にいた他のゴブリンにも黒炎が届き、その体を巻き込んで燃え上がった。黒炎は絶え間なく広がり、次々とゴブリンたちを飲み込んでいく。 ゴブリンたちは恐怖に包まれ、必死に逃げ出そうとするが、黒炎の速さに逃げることはできない。レイニーの剣さばきは見事であり、次々と斬撃を繰り出しては黒炎を放っていく。その一撃一撃が、ゴブリンたちにとっては絶望的な運命を意味していた。 燃え盛る黒炎の中で、レイニーの姿はまるで闇の騎士のように見える。彼の鋭い眼差しは、目の前の敵を逃がすことなく捉えている。黒炎の猛火が周囲を焼き尽くす中で、彼の冷静な動きが一層際立っていた。 戦闘の終わりには、森の中にゴブリンの残骸に黒炎の残り火が静かに揺らめき、そのゴブリンたちの残骸が散乱して黒炎の怪しい炎が戦闘跡を照らしていた。その光景は、まさにレイニーの圧倒的な力と黒炎の恐ろしさを物語っていた。「もう、終わっちゃったね〜」 俺が残念そうに呟いた。♢甘えん坊な悪魔たち 試し斬りが終わった剣をロディーに渡すと、緊張をしたような表情をして跪き受け取った。「このような強力な剣を頂き……よろしいのですか? レイニー様ぁ……」 不安が入り混じった嬉しそうな表情をして甘えた声で聞いてきた。「もともとは、ロディーが宝箱へ入れた剣じゃないの?」 俺の剣じゃないし、ちょこっと試しに付与魔法を掛け直しただけだし。レイニーは、ロディーの言葉に首を傾げた。「え、あ……はい。ですが……もはや別物の剣ですっ。それに、ボクは従者の身ですので!」 ロディーが、俺の従者だということを強調して言ったきた。その表情が必死で可愛い。

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    「べつに……い、いや、じゃ……ないわよ……! 好きにしなさいよっ」 俯いていたリリスが顔を上げ、恥ずかしそうに言ってきたが、やっぱりそっぽを向いてしまった。作戦成功♪ 可愛いリリスの頭を撫でれる許可はとったっ!「リリス〜♪」 レイニーが、ツンとした表情をしているリリスに甘えるように呼んだ。「な、なによ? 甘えるような声で呼ばないでよね……」 リリスが恥ずかしそうにツンとした表情をして、文句を言ってくるが、嫌そうではなかった。「リリスと、仲良くしたいなーって思って名前を呼んだけだよっ♪」「そ、そう……そうなの。なら良いけれど……」 リリスが恥ずかしそうに、そっぽを向き頬を赤くさせていた。「二人とも、仲良すぎです! ボクも混ぜて下さいよ〜」 ロディーが、俺の服を掴んできた。というか、ロディーは案内役だろぉ……俺の後ろにいたらダメだろ〜。レイニーは、ロディーの行動に軽くツッコミを入れた。 ムスッとしたリリスが「うるさい。下級貴族の分際で……話の邪魔をするなよなぁー! ふんっ!」と、ロディーを睨んだ。その瞳には、少しだけ嫉妬の色が浮かんでいる。「す、すみません。伯爵様」 ロディーが、シュンとした表情をした。「二人とも仲良くね〜」 そう言えば、悪魔の世界も絶対的な階級社会なんだっけ? レイニーは、二人の関係性に思いを馳せた。「これでも、仲良くしてるし……」 リリスが頬を膨らませて言ってきた。その頬は、まだ少し赤い。 それは気づいてた。完全に配下だったロディーが発言しても文句を言わなかったし。まあ、上下関係はあっても良いけど、ケンカにならなければ良いかな……。レイニーは、二人の関係性に寛容な姿勢を示した。

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     って、おいおい。木の棒で戦う気なの?? 相手は、低位のゴブリンだけどさ……。レイニーは、ロディーの無謀さに突っ込みたくなった。「ここってダンジョンだよね? 宝箱とかに武器とか入ってたりするんじゃないの?」 ダンジョンといえば、宝箱でしょ! それがなければ……ただの魔物の巣窟じゃん。なんの魅力もなければ、誰もそんなところに危険を犯して入りこまないでしょ。レイニーは、当然の疑問を口にした。「あ! そうでした。冒険者への餌として、武器や防具と財宝を配置していました」 ロディーが思い出したように笑顔になったが……暗い表情になった。「どうしたの? なにか問題?」 (え? なにを急に暗い顔をして??) レイニーは、ロディーの急な変化に戸惑った。「はい。この階層には……古びた剣が数本と、防具を入れておきました」 (古びた剣で十分じゃないの? ボロボロの剣じゃなければ戦えるし。)レイニーは、ロディーの言葉に疑問を呈した。「とりあえずさ、ここからその剣が入っている宝箱って遠いの?」 遠かったら……俺がそこまで護衛をすれば良いか。それに、リリスもいるし……実力は分かるかな。レイニーは、今後の展開を考えた。「すぐ近くにあります」 ロディーが嬉しくなさそうな表情で返事をした。「そこに行く間に出てくる魔物は、リリスが倒してみてくれるかな」 レイニーは、リリスの腕試しを提案した。「分かったわ。見てなさい! 役に立つんだから! わたし、強いって思わせるっ!」 リリスが小さな胸を張り、やる気を見せた。その瞳は、闘志に燃えている。 このダンジョンを復活させたのは、この二人なわけだ? 書庫で封印されたダンジョンがあるって書かれていたよな……。悪魔に封印を解かれたのか、ディアブロの封印も劣化してたしなぁ。レイニーは、ダン

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